「ハワイに行きたい」
18歳の春。それはまだ漠然とした夢だった。

19歳の夏。ハワイ行きの切符を手にしながら、涙をのんだ。



そして、20歳の春。






二度と逢えないと分かっていても、
君と笑うのが好きだった。




ハワイで出会った、クーチという名の君に捧ぐ。





SKY HAWAII
始まりの、合図






「日本を出るとき、もう戻らないって決めたから。」
「一生?」

「そう。私はここで死ぬんだよ。」



クーチは笑って言ったけど、
その目が泣きたくなるほど悲しかったのを、僕は知ってる。
何になりたいかと問われれば、
なりたいものなんて何もない。



平凡な幸せでいい



「大切な人を、死ぬまで大切に」







僕がハワイに来た理由は、たったひとつ。

初めてダンスを習いたいと言った,あの夏の日の、

祖母の嬉しそうな笑顔が


忘れられないだけだ。








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