その瞬間まで、僕には何もなかった。



失って怖いものも。
大切な人も、夢も、過去も。

だけど、こんな世界の片隅で
当然のように僕らは出会い、

そして、別れた。










分からない。


「さよなら」と笑った君に、
どんな顔をすればよかったのか




本当に これで終わるんだろうか。

この訳の分からない不安に
押しつぶされてしまわないんだろうか。









この悲しみは、
いつか消えて

なくなってくれるんだろうか。









目覚める瞬間の記憶はない。

手を伸ばした先に

君の姿はなかった










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